・過去の詩 C (09/01更新)

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 おだやかな時は消え こころは重い やすらぎはもう どこにもない  あの人がいないと そこは墓場 この世はすっかり 荒れはてた   この頭は どうかしている この五体は どうなったのか      

 おだやかな時は消え こころは重い やすらぎはもう どこにもない 窓からいつも あの人を見ている 家から走り出て あの人を追いかける  雄々しい歩み けだかい姿 口もとの笑い 目のちから はなし声に しばられた 握りしめた手と それにあの口づけ 

 おだやかな時は消え こころは重い やすらぎはもう どこにもない この胸でせまる あの人を求める この手に つかまえ     好きなだけ キスしたい あの唇の上で ほろびたい

(ゲーテ「ファウスト」グレートヒェンの小さな部屋)


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