過去の詩 D

 

その下には紺碧にまさる青き流れ、 その上には黄金なす陽の光。 されど、 憩ひを知らぬ帆は、 嵐の中にこそ平穏のあるが如くに、 せつに狂瀾怒涛をのみ求むる也。

(太宰治全集9 「犯人」または、ミハイル・ユウリエヴィチ・レエルモントフより。「帆」)